田口ランディ最新刊「マアジナル」を読み終えた。
不思議な本だった。感想はとても個人的なものだから、読む人それぞれだろうね。ネタバレはないので、なんとなく程度に参考にどうぞ。
マアジナル
ランディさんの本を読むようになって、もう10年以上も経つのだ。作家デビュー以前から知っているわけだけれど、自分個人としてランディさんという人はとにかく、行動的で勢いがあって、いつでも炸裂している人だ。なにか途方もないものに向かってひるまずに、どこまでも立ち向かっていくように見える。なにかみえない力が働いたのか、ご縁があって応援していただいたり、微力ながら応援してあげたりという関係が続いている(当然、こちらからの応援のほうがはるかに小さいわけです)。そんな彼女の最新作だが、圧倒的に面白かった。細かい内容については書かないが、とにかく本当にこんなに面白い本はない。あくまで個人的にだが、ハリーポッターよりも、村上春樹よりも、芥川よりも、ずっと面白い。岡本綺堂も山本周五郎もそりゃ好きだが、面白いという点において、自分にとってはナンバーワンだ。若い頃はグイン・サーガも読んだよ。山岸凉子なんかもちょっと面白いよね。完全なファンタジーもいいけれど、本当はどうなんだろう?というリアリティとの境界のあいまいな世界は、自分の体験と接近遭遇が多くて、わくわくしてしまう。
誰しも、「あれはなんだったんだろう?」という体験はあると思う。たとえば金縛りにあうと、あれはなんだったのか?と思うわけだし、ばあちゃんの命日に仏壇から白檀の匂いがすると、やっぱりなんて思う。「はいっちゃいけない結界」があれば、その向こうにはなにがあるのか?と疑問に思う。思っていると気になってしょうがなくて、しまいに夢にまで見たりする。ありえない場所に不思議な発光体があれば、これまた「???」である。でも、誰にでも説明のつかない体験はあるのだし、現実なのかそうでないのか判別のつかない感覚を味わうことなら、すべての人にあるだろう。
自分はいわば、その判別のつかないものを霊感によって見極める役割を担っている。でもね、自分にもわからないことは、この世にはまだまだたくさんある。どうしてそんなことが起きるんだろうな。それは個人の上に、ある地域で、あるいはこの日本という国で。ずっと昔のこと、少し前のこと、20世紀の終わり頃、そしてここ10年の間のことで。いったいどうしてこんなことになるんだろう。そんな出来事って、どこに住んでるどんな人の身の上にも等しく起きていたし、今でも起きているんだと思う。
自分は、この世とあの世の境界なんて、あってないようなものだと思っている(というより、そういう世界に日々生きている)。そして、自分のような存在はけして珍しいとは思っていないし、誰にでもこの「どちらでもない」感覚はあると思っている。理性がそれを受け入れているかいないかの違いでしかなく「どちらでもない」という感覚は全ての人が必ず持っているのじゃないか。
自分はちょっと楽しみなんです。この本を読んだ人達が増えていくといいな。そして、その人達が「どちらでもない」自分について、どう考えたり、感じたりしていくのか。そのことがとても楽しみ。そして、はやく続きが読みたい!
でも、続きを書いてもらう為には、もう少しこの本が売れて欲しい! というわけで、読んだ方、是非つぶやいたりブログに書いたりしてくださいね。よろしく〜。
#小説の中に◯◯ッ◯カードが登場するのだが、占い好きな人も興味をもって読めるストーリーになっていると思う。