バラモン

ある番組でインド人がインタビューに答えていて、その人が「私達、バラモンに悪人はいない」と語っていた。その人自身がバラモンなのだろう。(バラモンはカーストの最上位の階層)自分達は最もカーストが高いのだから、悪いことはしない。罪を犯すような愚かな事はしない。その人はそう信じきっているようにみえた。信じること、信じられるものがあることは、悪いことじゃない。

だが、この世に絶対不変のものがあるのだろうか。

ものごとはすべて移ろいゆく。最上位だったものが最下位になることもあるかもしれない。最下位のものが最上位に浮上することだってあるかもしれない。自分は最高かもしれず、最低かもしれない。白でもあり、黒でもある。どちらかかもしれない、どちらでもないかもしれない。

結局、定まったものなどなにもない。定まらないものに、すがり、守ることは、苦しい。

地位を守ること、プライドを守ること、公約を守ることは不可能だ。ただ変化すればいい。ひたすら変化していけばいい。それだけでいいのではないか・・・

難しいのは、人間の本性に、つかみとったものを守りたい、手なばしたくないという執着が宿っていることだ。だが、あらゆるものを私達はこの人生の最後の日に奪われてしまう。すべてを無にしてお返ししなければならない。だから、よく味わい、そして手放すこと。必要になったらまた求め、引き寄せる。そしてまた手放す。その日欲しいものは、その日のうちに手にいれ、満たされ、すべてお返しして一日を終える。そういう循環を一ヶ月で、一年で、一生で完結できればいいのに。とても難しい。

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