コミニュケーションの問題

学生の頃に自閉症の子がいる施設に見学に出向いたことがある。少しの時間、子どもたちと一緒に過ごし、いい勉強になった。あの時はすごく無力感を感じた。結局中退をしてしまい教育の道にはすすまなかったが、後に演奏家として再び施設の子どもたちと接点を持てた。その時、音楽を通じて一体感をもつことができ、音楽をやっていてよかったと強く思ったものだった。

言葉で会話できなくとも、音楽なら届く。

人間のコミニュケーション回路は、大地とつながっている方と天につながっている方があるようだ。一眼レフのカメラがミラーで光を反射して切り替えているのと似たようなものか。インスピレーションを求めていたり、深く思索していたり、自分以外のたくさんの人のことを考えていたりする時、意識は天にむかっているのではないか。その度合いが過ぎると、なかなか大地のほうに切り替わらない。あの子達は、おそらく先天的に大地につながる回路に切り替える方法を忘れたままで生まれ変わってきたのではないか。

でも、どうしてそんな子達にも音楽は届くのだろうか。

僕のCDをきかせると赤ん坊がよく眠るそうだ。なるほど、という気がする。自分でも疲れている時は自分の音楽を聴いているのが一番楽だ。天に響く音色だからなんだろう。

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