経験値。

過去をふり返ると、自分に不足していたものはひたすら「経験」だと思います。実地でどれだけの相談をお受けしてきたか…。その点につきる、といえます。

時折り、自分とすごく近い能力をもった人に出会います。本人がうすうす気付いている場合もあったり、まったくよくわかっていないこともあったり様々ですが、そんな若い世代の人に会うとかつての自分を投影して思い出してしまう。完全に心をとざしていた少年時代のこと、もはや記憶もおぼろげな現実感の希薄だった学生時代の自分、中退して会社員になりたてのころ、パニック障害を発症して苦しかった頃、安定剤がないと生きていられなかった日々…うつうつとした時代が長くありました。霊的な能力を持つ人は、それだけで精神的に消耗しやすいのです。そんな自分を単に役立たずでどうしようもないダメ人間で終わらせてはいけない、負けてはいけない…なんの力もないくせになぜかそういうプライドだけは消えませんでした。せっかく生きるからにはなにかを見つけ、そしてできればなにかを為し遂げたい。そんな願いが常にあったわけです。

40歳にして転機をつかむことができた自分はある意味でとても幸運だったのでしょう。でも、そこからはまた地獄のような日々でした。右も左もわからず、独立してみたものの。誰も自分を知らない状況で、お客さんが来てくれるはずもなく…。いったいどうしてこんなにリスクの大きな生きかたを選んでしまったのだろう。今、ふりかえるととても正気の沙汰とは思えないわけです(苦笑)。でも、そうしなければいられない当時の状況だったのです。ある意味、人生が煮詰まっていましたから…。それまでの会社員生活とは違う、スピリチュアル業界に足を踏み入れてからはや7年の歳月が経過しました。この間にご縁があった方は千人を超えるでしょう。昨年はご来訪になる方はいっきに増えて、毎月50名ぐらいカウンセリングやセミナーでお会いしましたので単純計算で一年でのべ600人です。数の問題ではないかもしれませんが、実地の件数もとても重要です。ひとつも手をぬいた事はありません。集中力を欠いたことも皆無です。これだけは明言します。

でも、すべてが納得できる内容だったわけではありません。現実的なアドバイス、助言ということでいえばまだまだ人生経験未熟な自分が、人様の生きかたに口出しをするなど、おこがましいことも事実。遠慮もありました。怖れもありました。人として我が心に迷いは無数にありました。そんななかで、なんとか力になれないかと必死に模索をし、最善と信じる対応をしてきました。そこにおいて、自分は霊能者でもなんでもなく、一人の人間でした。

霊的な能力をいくら駆使しても、そこから先、もう言葉がでないという領域があります。親族を失って悲しみでいっぱいの方にかけてあげる言葉は、霊能者のそれではなく、一人の個人としての自分が発するものです。自分にそんな器があるんだろうか…。そんな葛藤がまずよぎります。相手の涙を受け止める以前に、自分の心のゆらぎが先立ってしまう…。そんなことを日々、くりかえしながら7年です。やっといろいろな現実の人生模様に慣れました。

日々、死別、離別の痛み、悲しみのどんぞこにある人達と、がっしりと向きあっています。新たな転機をむかえ夢と希望にあふれる人達と共に、喜びの笑みを共有しています。閉ざされた闇の世界を共有し、一緒に歩んでいます。

昨日、今日もそんな日々です。明日はどんな一日になるでしょうか。

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