ピアノソロ曲「未知へ」(期間限定公開)

最近は音楽を紹介することも簡単にできるようになりました。私がHPをたちあげて楽曲を紹介しはじめた頃は、ネットを介して音楽を聴いてもらうということは本当に難しかったし、一部の方にしか聴いていただけませんでした。そんな時節でもあり、とにかくCDを作るしか音楽を聴いてもらうことができなかったのですね。それで最初のピアノソロCDはかなり無理をしました。今では考えられないほどの苦労をしてなんとか形にしました。

ここ数日過去の録音をいろいろ整理しているのですが、今日はふとこの曲が心に響いています。録音したのはもう18年くらい前です。広いスタジオで一人っきりの世界でなにかと向き合っていました。その瞬間に降りてきたものを即興で弾きました。譜面に書いて作曲する仕事はゲーム音楽で一生分書いた気がするので、あとはひたすら「降りてくる音」だけ弾いていきたい。

私に降りてきた音は、なにかメッセージがこめられている。タイトルの「未知へ」は、ずっと後になってつけました。今でもこうやって聞き返していると意識が不思議な時空にもっていかれる感覚になります。

思うところあって今日はこの曲をフルサイズ、試聴していただけるようにしました。しばらく公開しておきます。


最近のスマホ、タブレットであれば再生できます。パソコンについては最近のOSであれば再生できると思いますが古い機種の場合は難しい場合もあるようです。

※この記事(楽曲データ)は一定期間経過後は削除予定ですのでご了承ください。

音楽で生きるということ

「ギャラリー門馬」でのウォンさんと及川さんのジョイントコンサートが終了。今年もいつもと違う空間で、違う時間を味わうことができた。

運良く打ち上げにも参加。ミュージシャンがあつまると音楽がはじまる。いろいろな人が少しずつ才能をもっている。面白いな。

音楽は純粋でいい。我が消える。人の内側から生まれ出るもので、こんなに美しくて純粋なものがあるだろうか。特に歌はいい。周りの人みんなが、ああいいな、と思う。

でも、いざステージに立てといわれて、和やかな場、空間、楽しい時間の流れのなかで、あるがまま自然に沸いてくるような声を出せる人がどれだけいるだろうか。

人は依存し合わなければ生きていけない。

自分と誰かがふれあっていて関わりあい、そこから生まれる温度差によって化学反応がおきて歌も生まれる。

まず報酬が、プライドが、条件が、と本質じゃないことが優先したり、誰かに強制されたりして、祭りの音頭のように自然に生まれてくるのではない歌が、はたして人の心をひきつけるものだろうか。

仕事で音楽をやっているとものすごく消耗する。実際、消耗し尽くしたこともある。職業音楽家は苦しいな。自分には向かないと思った。でも音楽は好きだ。好き、というよりも自分の一部だ。それができないのは苦しい。

気づけば、自分もいろんなことを背負ってしまう歳になったのだ。

12歳先輩のウォンさんの力強さと、一方で純粋な表情の両方を垣間みることができるだけで、本当に励みになる。このご縁がなかったら、音楽への情熱をとっくに見失っていただろう。