とりつかれること

・もののけにとりつかれる(とり憑かれる)
支配される、憑依される、コントロールされる、自分が消えてしまう。闇。恐怖。本当は、おそれず立ち向かいたい。じゃまものをどけて、力強くなりたい。その気付きを受け取れる。むずかしい気付きだけれど、ありがたい。

・欲にとりつかれる
人間は欲深。欲を満たす為に、自然にがんばる。一心不乱にがんばる。人の為になるもならないも、考えることなく。ひたすらがんばってしまう。欲を満たした時に、はっと我にかえる。欲は気付きを与えてくれる。ありがたい。

・地位、名声にとりつかれる
人の上にたつ。心地よい。名誉をうける。心地よい。人は心地よさにとりつかれる。それがいつまでも続けばいいと願う。守りにはいる。敵をつくる。やがていったいなんの為に自分は生きているのか、考えさせられる。人生のおおきな気付きをうけとれる。だから、ありがたい。

・情念にとりつかれる
自分の愛は普遍だと人は信じる。愛はすべてを超越すると信じる。なにもみえなくなる。ひたすら追いかける。やがて力つき、すべてを失ったと感じる。それでも、肉体は生きようとする。お腹がすき、体も臭くなり、排泄もする。食べられるだけまし、働けるだけまし、明日があるだけまし。なにもないところから、人は輝きはじめる。深い、大きな、気付きをうけとれる。だから、すばらしい。

・仕事にとりつかれる
好きな仕事とおもい、必死にがんばる。天職と信じて、どこまでもがんばる。がんばればがんばるほど、孤立する。孤立しても、人には意地があるから、もっとがんばる。ますます孤立する。孤立は嫌だと感じる。やがて、仕事ってなんだろう、と考えるようになる。ひとは一人では生きられないと悟ることができる。仕事は大事。とりつかれることもすばらしい。けれど、悟れることはもっとすばらしい。