初版発売の時、PVに楽曲を提供させていただいた。個人的にもとても印象深い本だったので、文庫版が発売になったということで改めてご紹介です。
この本では「看取る」ということがテーマのひとつになっています。家族が身内を看取る、ということだけでなく現代は終末医療、介護に関わる方が年々増えていると思います。
人が死を迎える、その過程に関わることやなんらかの役割を担うことは、経験があってもなくても大変なことです。
普段、ものごとをスピリチュアルな観点で考えることが多い自分ですが、リアルに身内の死と向きあうということをじっくり考えさせてもらった本です。ランディさんの本は、どの作品もそうですが非常にリアルです。読んでいくと単なる小説とはいえない圧倒的なリアリティに飲み込まれるような感覚になります。そのリアリズムがエンターテインメントとして昇華した作品が「マアジナル」だったと思う。扱っているテーマは「UFO」なのだが、読んでいるうちに自分の周りでもこんなことが起きているのかもしれない、と信じこまされるほどぐいぐいと不思議な世界に引き込まれる。いっきに読了する人が多いのもうなずける。自分も二度つづけて読み通してしまった。
さて「看取る」ですが、パピヨンの題材はたしかに重いし、読むには少しだけ心構えが必要な気がします。そんな小説に、自分の曲が合うのかどうか、正直心配でした。公開された直後も、あらためてPVをみながら・・・これでいいのかなぁという気持ちしかなかったのですが。
今となっては、これしかないよね、と思っています。看取るはたしかに辛くてどうしようもない場面もあるのですが、トンネルを抜けた向こう側に素晴らしい世界も待っている。魂は無限の輪廻をくりかえしていくのです。けして終わることのない光の大河を、とうとうと流れて永遠の輪廻をどこまでも旅しつづける彷徨い人…。
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パピヨン 死と看取りへの旅 (角川文庫(学芸))