2026-07-16:円山公園の紫陽花

円山公園の片隅に誰の目にも留まることなく、ひっそりと咲いている額紫陽花を見かけました。

数日前、ピアニストのウォン・ウィンツァンさんが札幌でのコンサートにいらして、1年ぶりにお話しする機会がありました。相変わらずのウォンさん。30年前から一貫して表現者としてのあり方を淡々と貫き続けている、本当に素晴らしい大先輩。私の音楽表現の出発点のような存在です。あとはできるだけ長く活動を続けていただきたいです。

ウォンさんの音楽に出会った当時の私(30代後半)は、自分の作った音楽が世に出ても実感が湧かず、「自分は何者なのか」と日々もがいていました。あれから月日が流れ、今の私には「人と比べること」はもう意味を持たなくなりました。世の中には凄い才能を持つ人が次々と現れます。そこと競うのではなく、自分の中にある比較の心を徹底的に削ぎ落としたとき、最後に残るのは「ただ感じるもの」だし、それを音楽で表していくだけなんだよねと。この歳になってようやく心から気付いた次第。遅すぎかもしれないけどね。

ただ、不思議なもので。私にとって音楽がない世界は考えられないのに、実はもう何年も人前でピアノを弾いていません。決してスランプというわけでもない。ただ「ピアノを弾きたい」という欲求が今の私にはほとんどないようです。音楽を表したいという確信はあるけれど、「どうしてもピアノじゃなきゃ」というわけでもない。鍵盤楽器という括りでいうならピアノ以外の音色も無数にあるのだし。ピアノの音色にさほど固執していないだけ、ということでしょう。

ひっそりと咲く花のように、これからの私がどんな音色で表現していくのか。大先輩との再会を機に、新しい模索をつらつらと楽しんでいるところです。
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