私たちが忘れてはならないもの

私はブログを通して日々さりげなく感じることを1万分の1ぐらいに薄めて書いてきました。誰が読んでも不快にならないように。ただただそのことを心掛けてきました。

しかしそれを時代は許してくれなくなりました。私がどんなことを書いても、たとえ何も書かなくても。私たちは日々泥水を飲まざるを得ません。とても悲しくて切なくてどうしようもなく苦しい時代になってしまいました。

多くを書くつもりはありません。

ただ今私がすごく強く思っていることをサラサラと書いておきます。

それは音楽のことです。

これからは音楽が時代を変えるだろうということです。言い換えるなら音楽に耳を傾ける感性があればいい。そういう人はこの時代を乗り越えていけます。これは私が大好きな演奏家であるヨーヨー・マさんのインタビュー動画です。短い動画ですがお時間のある時にでもよかったらご覧ください。

この動画はある有名な映画のサウンドトラックを担当した作曲家とヨーヨー・マさんがそのメインテーマについて語り合っている動画です。動画の中で彼は「このフレーズを通して私は、家族の絆を感じる」というような表現をしています。それに対して作曲家はこの上なく嬉しい言葉だといって感謝を表しています。作曲家と演奏家が出会い、音楽を通して語り合いながら家族の絆の尊さを共有しています。

私は音楽の中にある崇高な赦しの力を感じます。

こんな時代、これからの時代、私たちには「赦し」が必要です。それも途方もなく大きな赦しの力です。赦しがなければどうしていいか戸惑うばかりです。引き裂かれていった家族の絶望的な悲しみを受け止め、抱擁し、愛し、癒していく力は人間にはありません。が、崇高な「音楽」にはその力が秘められています。間違いなく、確実に、秘められています。

音楽を通して赦しを受け取ることが絶対にできます。

くしくもこの動画で語られている映画はユダヤのホコローストを題材にしています。そして最後の場面の撮影地はイスラエルなのです。

音楽は全てを包み、受け入れ、愛し、癒します。私たち人間が受け入れきれなくても、もがき苦しんでいても音楽はそれら全て包んで溶かしてしまうブレない絶対的な美しさと調和の響きを持っています。

残念なことは良い音楽を穏やかな環境で静かに聴く機会がそんなにないことでしょうか。でもそれは工夫して作り出すことができるでしょう。もっと素晴らしいことは自らその音楽を奏でてみることです。調律の狂ったピアノでもいい。おもちゃのようなキーボードでもいいんです。心が崇高な音楽の響きに共感できれば絆は癒されます。奏でたい音色、旋律を思い浮かべていれば誰の心にも、懐かしさや愛おしさが次々に浮上します。

今、癒しの音楽が世界を包み始めていると思うのです。それらは皆さんのもとに次々に届くことでしょう。心を開いて耳をかたむけてみてください。あなたの心のよりどころが必ず見つかるでしょう。そして時代を生き延びていく勇気を取り戻すことが必ずできることでしょう。

音楽に耳をかたむけてください。

それが私たちの唯一の救いになります。

とうとうそんな時代がきてしまいました。