看取りに際して

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「看取り」を通して受け取れる糧はすごく大きいと思います。人の命は重いですから。人生を終える時、魂は数十年の人生の決算をむかえます。地上を離脱する本人にとっても、大きな節目であることは間違いないのですが、看取る側にとっても大切な時です。

私はふりかえってみると、あの世にかえった魂との関わりは多数あったし、看取りに関わる機会も人よりは多いほうだったような気がします。そして、今では看取りに関連する様々なご相談をお受けするようになりました。もとより、あの世に帰った魂との交信役としてカウンセリングの世界に足を踏み入れたわけです。でも、実際に蓋をあけてみると、ご相談者は、看取りを終えた方よりも、これから看取るという方や、まさに看取りの最中の人達が多いのです。命の炎が燃え尽きた後は新しい時が流れ始めるのですが、看取りの間というのは時間の流れが止まります。どうしてこうなってしまったのかという悔いや、受け止めきれない感情があふれ、自分を保つことが難しくなるものです。

いままで看取りに関連するご相談のなかで、多くの「昏睡状態」にある患者さんの魂と交信をさせていただきました。まだ肉体は呼吸をしているのだけれど、ほとんど意識がない、脳波も振れていないという状態の方とでもコンタクトはできます。肉体から離脱しているわけではないのだけれど、かといって体を通して意思を表示することはない状態であっても、魂はその状況のなかでなにかを感じたり考えたりしていることもあります。そんな状況でご親族ができることはすごく限られていますが、横たわっている人が「本当はどういう状態なのか」がわかると、心の整理もつきやすいようで、今できることはなんだろうか、と考えられるようになります。

私たちは生きていれば必ず近しい人達を順番に看取っていかなければなりません。そんな節目に迷った際には、どうぞご相談にいらしてください。